地域のために、誰かのために。
料理を通じてできる可能性を追求する。
未来へと続く食のあり方を探し、道を切り拓く慈愛あふれる料理人。
取材・文/三浦翠 撮影/勝村祐紀
のどかな筑後平野を見渡す耳納連山の山麓に、井上勝紀さんが店を開いたのは12年前。ここはレストランでありながら、地域の食を色々な形で発信する場所。物語が始まったのは、井上さんが小さな頃に遡る――。
和食の料理人の父を持ち、物心ついた頃から料理が好きだった井上さん。「三兄弟の次男なんですが、私だけが料理に興味を持って。雑誌の中から美味しそうなレシピを書き写して自分のレシピ帳を作ったりしていました」と微笑む。
高校を出て久留米の老舗「萃香園ホテル」に入り、20代半ばにしてレストランの料理長に抜擢。大阪で大箱店の厨房を経験後、再びホテルで視野を広げ、福岡市の産婦人科では、栄養バランスのとれた妊婦向けの料理を振る舞った。「料理の基礎から大人数の対応、経営力や栄養学など、自分に足りない知識と経験を一つひとつ身につけていきましたね」。その後ヨーロッパを食べ歩き、これまで点と点であった知識が線になったような感覚を身につけた。
続きは本誌で
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