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料理研究家・山際千津枝さんが語る 北九州の食文化や風土、そしてまちと人の魅力とは?

料理研究家・山際千津枝さんが語る 北九州の食文化や風土、そしてまちと人の魅力とは?

「北九州を特集してくれてありがとう」
お会いしてすぐにそう言って笑顔を見せてくれた山際さん。
山際さんにとって北九州は、生まれ育ち、心から愛する大切な場所。
今回は料理研究家の視点から、その魅力を語っていただきました。

取材・文/三浦翠 撮影/坂口裕登 イラスト/ムツロマサコ


福岡と北九州では、ふだん食べる野菜ひとつとっても
色んな違いがあるんです。

――生まれも育ちも北九州とうかがいました。
私は小倉北区の出身で、60年間北九州に住んでいました。福岡に引っ越してきたのは10年ちょっと前です。今でこそ新幹線を使えば北九州と福岡は20分ほどで行き来できますが、私が若い頃は1泊圏内だったんですよ。そのため食文化も福岡とは全く違うものが根付いていると思います。

――料理をお仕事にされたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか。
今から50年前、栄養士として栄養改善を目的として、健康を維持しながら成長や発育にいい料理を教え始めたのがスタートです。当時は女性だけでランチに行くような思考もなかったですし、ご両親との同居も多かった時代。お嫁さんが一人でどこかへ行くという発想もあまりなかったんです。公民館などで開かれる料理教室自体、もの珍しかったんでしょうね。あっという間に人が人を呼んで生徒さんが増えていったんです。不器用でしたが、なんとか教えていました。たとえば20個教室があれば20回同じことを繰り返すので、どんなに下手でも料理が上手くなりますよ(笑)。テレビに出始めたのは33年前からで、料理研究家という肩書きでの仕事が増えてきたのもその頃からです。




続きは本誌で

ソワニエ+ vol.55 2019年5・6月号より