Editor's Report編集部だより

2024.2.6

特別な“おいしい”を求めて、宗像へ

「宗像大社」や「道の駅むなかた」などがあり、通年多くの観光客で賑わう宗像エリアは、
福岡県内で屈指の漁獲高を誇る鐘崎漁港の海産物、
山に囲まれた豊かな土地が育む農産物、
地元産の飼料にこだわって育てた畜産物など、食材にも恵まれた場所です。

福岡市内からのアクセスも良好で、
車で約1時間、博多駅から赤間駅までは特急ソニックで20分ほど。
市内から気軽に足をのばすことができます。


そんな“食のまち”宗像産のおいしい食材を使った料理が、宗像市内と福岡市近郊の約50店舗で味わえるフェア『そのおいしい! 実は宗像』が、2月29日まで開催中されます。
https://www.oishii-munakata.com/


今回はフェア開催に先立ち、1月23日に「オテルグレージュ」で開催された、オープニングフェスティバルの様子をレポートします。

こちらのイベントは、宗像にゆかりのある5人のシェフが、それぞれ 宗像産の食材を使った渾身の1皿を出し合い、 この日限りのコース料理に仕立てるというもの。
まずは、5人のシェフをご紹介しましょう。



写真右から
宗像市神湊「オテルグレージュ」ロルキデ・ブランシュ・エグゼクティブシェフ 兵頭賢馬さん
宗像市公園通り「中国料理 石本」オーナーシェフ 石本雅輝さん
大野城市「ルナ ピエーナ」オーナーシェフ 中根一也さん
宗像市赤間駅前「ア コテ ド ラ ヴォワ フェレー ミツ ダルピーヌ」オーナーシェフ 平田充さん
福岡市中央区「リストランテ フォンタナ」料理長 小川祐樹さん

本誌の読者なら、ご存知の方も多いはず。多くのファンがいる有名シェフ5人です。

そんな腕利きシェフたちが手がけた、特別な一皿をご紹介していきます。


一皿目の前菜の担当は兵頭シェフです。
鐘崎産天然ふくのプレッセ“フグチリーヌ”
玉ねぎのムースリーヌと橙のヴィネグレット、3種の野菜のトルコロール仕立て



兵頭シェフらしい、見目麗しい一皿です。
宗像ではさまざまな種類のふぐが水揚げされますが、この日使われていたのは「しまふぐ」でした。
「出汁がよくでるふぐで、てっちりっぽく、前菜として仕上げました」と兵頭さん。
そのため、料理名も“フグチリーヌ”と名付けたそうで、使われている食材も、鍋料理でお馴染みのものばかりです。
竹下さんの白菜が余すことなく使われ、蓑尾さんの玉ねぎを使ったムースも主役級の存在感でした。
色鮮やかな3色のソースは、緑が春菊、赤は金時にんじん、白は玉ねぎが使われていました。
(フェア期間中は「ロルキデ・ブランシュ」のディナーにて、“フグチリーヌ”をスタイルを変えて提供予定。
ランチでは通年、むなかた牛のサーロインを使ったメニューがいただけます)



二皿目の前菜の担当は石本シェフです。
玫瑰鷄芋角
~むなかた鷄の海老すり身付けはまなす風味 宗像産里芋コロッケ添え~



中国料理らしさを意識したという前菜。
むなかた鶏に八角や佳皮など数種類の香辛料を合わせて焼き上げ、海老のすり身を纏わせています。
宗像の山をイメージしたという宗像産里いものコロッケは、中が空洞になっていて、サクサクとした食感でした。
そして、今年は辰年ということで、龍をイメージして飾り切られた白菜は、お店のご近所で作られているという竹下さんのもの。
この白菜が、スパイスの効いた料理に瑞々さをプラスしていました。
(フェア期間中は、コース料理の中でむなかた鶏を使った料理を提供予定)



魚料理の担当は中根シェフです。
宗像さわらのアクアパッツァ



中根シェフのお店は大野城市にありますが、宗像の食材に魅了され、昨年からお店でも使うようになったとか。
魚料理の主役は3kgの大きな鐘崎さわらでした。
さわらは魚へんに春と書きますが、実は気温が下がる冬が旬。
船上で活け〆して海水をシャーベット状にした氷で6時間以上冷やすという高鮮度処理をした2.5kg以上のものだけを鐘崎さわらと呼ぶそうです。
そして旬のものがもうひとつ。
2、3月にもっとも糖度が上がって美味しいのがトマトです。
「子どもが、自らの意思で手にとるトマトづくり」をテーマにしている、とまとのまつおさんのトマトは、
糖度は10度以上、最高で14.5度にもなります。
この日使われていた「とMAX」は、フルーツのような甘さでした。
「とMAX」は、インターネットと対面販売のみで購入できるそうです。
野菜から出る甘味とさわらの旨みがひとつの鍋の中で合わさる贅沢なアクアパッツアでした。
(フェア期間中はこの日提供したメニューにショートパスタを入れ、スープパスタのように仕上げて提供予定)



肉料理の担当は平田シェフです。
むなかた牛のバラ肉の赤ワイン煮込み すね肉のソーセージ



平田さんはご自身の店の特色であるビストロらしい一皿でした。
むなかた牛は、宗像産のおからや酒蔵の酒粕などを乳酸発酵させた自家製肥料で育てた牛です。
地域資源を活用することで、牛の健康はもちろん、地域内での食の資源循環にも役立っています。
むなかた牛のバラ肉は、宗像産野菜と共に赤ワインでしっとりと煮込み、
ソーセージは、むなかた牛のすね肉に黒い粒胡椒を潰して混ぜ込んだ、シンプルな味付け。
付け合わせも、伊津さんのさつまいもをピューレにしたものと
コンフィにしてブリュレ仕上げにした2種類を用意。
「それぞれの肉料理に合わせて食べれば、ひとつにまとまって美味しくなります」と平田さんはおっしゃっていました。
(フェア期間中は、宗像の「ミツ ダルピーヌ」ではむなかた牛の料理を、薬院の「ビストロ ミツ」ではさわらを使った料理を提供予定)



コースの最後、デザートを担当したのは小川シェフです。
宗像産あまおう大島の塩のジェラート 
沖ノ島のジュレ パンナコッタ



コクのあるパンナコッタの上には、宗像産あまおうのタルタル、宗像大島の塩を使ったさっりとしたジェラート、宗像の日本酒「沖ノ島」のジュレ。
一口ごとに違う味を楽しめるデザートでした。
「どこをすくっても宗像産。あまおうを美味しく食べてもらいたい」という小川シェフの気持ちが伝わる一品です。
(フェア期間中はこの日提供したデザートのほか、あまおういちごのデザートを2種提供予定)



5人の腕利きシェフたちによるこの日限りのコース料理は、改めて宗像食材の底力を感じるものでした。

2月29日までのフェア開催中は、今回の5店舗のほか、宗像市内と福岡市近郊の飲食店・約50店舗で
宗像食材を使った特別メニューがいただけます。
フェアの内容や参加店舗、そして生産者さんの情報は、公式HP(https://www.oishii-munakata.com/)でご確認ください。

食事の後には、5人のシェフとエフエム福岡のパーソナリティ・謎のアジア人さんによるトークショーもありました。

この日それぞれが手がけたメニューの紹介に加え、宗像産食材の魅力について話すシーンもありました。


「宗像産じゃないと! と思える特別な食材がある」というシェフの言葉、
「料理の美味しさを支えているのは食材。今日は宗像食材の底力を感じることができました」という謎のアジア人さんの言葉も印象的でした。

この日のイベント会場の一角には、メイドイン宗像の日本酒やビールをいただける試飲コーナーもありましたので、最後に少しご紹介を。

伊豆本店
稲丈が高く栽培が難しいことから一度は姿を消した酒造米の亀の尾を復活させて、代表銘柄として醸造しています。目指すは「究極の食中酒」とのこと。



勝屋酒造
宗像のミネラル豊富な城山伏流水を仕込み水に使用。1790年創業、宗像大社の御神酒もつくられています。2月24日・25日に酒蔵開きがあるそうですよ。



ひのさとブリュワリー
日の里団地の101号室にあるクラフトビールの醸造所です。宗像産大麦をはじめ、地元の食材とコラボレーションして醸造するビールは、どれも個性豊かです。



とにかく「食のまち宗像」の魅力を存分に感じたオープニングフェスティバルでした。
宗像市内と福岡市近郊の約50店舗で味わえるフェア『そのおいしい! 実は宗像』は現在開催中です。
https://www.oishii-munakata.com/

2月29日までの期間中、宗像の美味しいを求めて、いろいろなお店へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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